設立趣旨

 私たちは、2011年3月11日に起きた東日本大震災で被災した方々に、それぞれの立場でどういった支援ができるのかを考えるために立ち上がりました。

 「被災者支援」というと、「何かしてあげる」という発想になりがちですが、そうではなく、被災した方々と「つながる」ことで、何をなしうるのか、復興につなげていくには何が必要なのかを考えたいと思っています。すでに多くのボランティア団体が、直接的な支援活動をしていますので、私たちはそうした団体と連携、協力をしながら、間接的に支援のあり方を考えます。

 支援を考えるのにあたって、基本的な「考え方」をまとめると下記のようになります。

 私たちは、今回の震災を明治維新や戦後復興のような歴史的な転換点の一つであるととらえます。すでに、若者たちが復興のために役立ちたいとそれぞれの立場で力を発揮しつつあります。そうした中で、社会が復興のために何をなしえたかが後世に問われると認識する必要があります。

この研究会は、参加者の手の及ぶ範囲で、そうした歴史の転換に立ち上がるであろう「次世代」の人たちの活躍に期待し、まずは今後の復興への道筋を資料価値あるものとして記録することから始めたいと考えています。そこから得られたものを手がかりに、被災者のために何をなしうるかを模索し、身の回りでできることから行動をおこし、世の中への発信を通じて、必要と思える提言を継続的に行っていくことをめざします。同時に、次世代を担うことになる若者やこどもたちにも参加を呼びかけ、被災地の経験を被災地以外の若者やこどもたちにつなぐ橋渡しができればと考えています。その上で、被災した方々の近くにいる人たちへ、そしてそれを取り巻く社会へ、さらにはアジアの片隅で起きたこの災害を心配している世界中の人たちへ発信したいと願っています。

 自発的な意志で集まった人たちが研究会を継続的に運営していければと思います。「自分には、特段関われる専門分野はない」とお考えの人がいるかも知れません。しかし、自分の感じたこと、考えたことについて意見を述べ合うことで、お互いを高め合うことができます。狭い専門分野に偏らず、さまざまな専門分野を持つ人たちが集い、学際的に知恵を出し合うことで、社会に貢献できるようにできればと思います。

今後、10年を一区切りとして、継続して活動することをめざします。

苦難の中から立ち上がろうとする人たちに寄り添い、支えるために、世代を超えて、知恵を出し合いませんか。

学生部には、上記の設立趣旨にあるような「次世代」を担う学生が所属しています。

私たちは継続した調査を通じて、東日本大震災の経験が風化してしまうことを防ぎ、学んだことを次の震災に活かします。そして、さらに次の世代へと伝えていきます。